ではなぜ装飾彫刻に仙人が彫られるようになったのか?
それは昔の彫刻師に聞かないと分かりませんが、イラスト集に描かれていたからっていうのはあると思います。
江戸時代には諸職画鏡(しょしょくえかがみ)などといった職人が手本にするイラスト集がありました。
彫刻師はそれらの本に載っていたイラストを参考に、実際に彫る彫刻の下絵を描いたと考えられます。
先日調べた豊川稲荷・奥の院の玉巵弾琴という仙人も諸職画鏡に王夫人として載っていました。
右の絵が諸職画鏡の王夫人。この絵の構図を少し変えて、彫刻という3次元形状にすると、左の写真のようになります。この彫刻は知多の上半田地区「北組・唐子車」の前山懸魚。大正12年、初代彫常の作です。
つづく |