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道楽親父の祭り紀行

コンセプトconcept

2019年5月19日(日)

小山彫刻こやまちょうこく小山広樹こやまひろきさんを訪ねて


プロフィール
小山 広樹 (こやま ひろき)
1986年〜  静岡県浜松市出身

2004年: 京都伝統工芸大学校に入学し、木彫刻の基礎を学ぶ
2006年: 宮大工として働く
2007年: 波雲彫刻(岐阜市)の奥土居浩氏に師事し木彫刻の技術を習得
2013年: 浜松に小山彫刻として工房を構え独立する


浜松市東区大蒲町にある小山彫刻・小山広樹さんの工房を訪問。

この日は、獅子頭を彫刻していました。



工房の座敷に座らせてもらい、彫刻師になったきっかけから独立までのお話を伺いました。

広樹さんは、地元が蒲神明宮祭礼地区ということで、子どもの頃から祭り屋台や彫刻に触れる機会がありました。でも、お祭りが大好きというほどではなかったそうです。

職人になりたいという思いから、高校を卒業後、京都伝統工芸大学校で、2年間、木彫刻の勉強をしました。卒業後はそのまま、京都にある宮大工の会社に就職して約10ケ月間、大工の勉強をし浜松に帰ってきました。その時、21才

浜松に帰ってきて、遠州の先輩彫刻師を訪ね岐阜県の彫刻師、奥土居浩さんを紹介してもらいます。そして、岐阜県に移り、奥土居さんの工房で、6年間、彫刻の修行をしました。社寺の虹梁や懸魚などのシンプルなものから徐々に難しい彫刻まで仕事を教わったそうです。

奥土居親方の元では、社寺関係の彫刻を多く手掛けましたが、虹梁ひとつとっても彫りの深さなど、彫刻は慣れても、とても難しい仕事だと感じたそうです。

それから、地元浜松での独立を考え、多くの方の協力があり、27才の時、小山彫刻として工房を構えることができました。


岐阜県での修行時代に彫った懸魚

これまでに手掛けた彫刻は全て写真を撮って、アルバムに残してあるようでした。

  
工房に飾られた力神

なぜこうやって木目が凸に合うのですか?と質問すると、「木目を見て、木取りを上手に行うと、このように彫れるんですよ」と力神の座面の木目を見せて教えてくれました。


工房に飾られた烏天狗


浜松市浜北区貴布祢西町組の腰彫り「魏伯陽(ぎはくよう)」

この彫刻は、昨年のお祭りで指が折れてしまったそうです。修理の為、偶然、工房に帰ってきていました。貴布祢西町組の腰彫り10面、約9ケ月間で彫ったそうで、時間がなくて、とても大変だったようです。獅子と魏伯陽、どちらもいい表情をしていますね。
目の入れ方は、元々屋台に飾られている彫刻に合わせたそうです。


現在も奥土居親方や先輩彫刻師の助力があり、仕事量にも恵まれて木彫刻の技術を磨いているそうです。

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