プロフィール
宮崎 政光 (みやざき まさみつ)
1983年〜 静岡県浜松市出身
2004年: 浜名湖花博にて館車(屋台)の模型を展示
2009年: 浜松市博物館にて社寺彫刻を展示
2009年: 浜松市天竜区山東・南栄連屋台太瓶鰭彫刻
2012年: 浜松市西区志都呂町北組屋台彫刻
2014年: 磐田市白羽屋台彫刻
2015年: 浜松市南区参野町屋台彫刻
2015年: 磐田市前野・松尾八王子神社拝殿彫刻
2017年: 磐田市長須賀・松尾神社拝殿彫刻
2017年: 松坂屋静岡店にて個展開催
浜松市西区にある雄踏図書館にて開催されている宮崎さんの祭屋台彫刻展に出掛けました。
郷土資料室の展示スペースには
宮崎さんの手掛けた木彫刻と館車の模型がびっしりと並んでいました。
展示されている置物の彫刻
宮崎さんの工房は、この展示会場となっている雄踏図書館の近くです。前もって連絡をしておいたので、ひと通り展示作品を見学したところで連絡をして、図書館まで来ていただきました。(宮崎さんには、一年半前の磐田市中泉坂上町心誠社のお披露目のときに取材のお願いをしており、今回の彫刻展で、やっとじっくりとお話を伺うことができました)
今回は、置物の作品が主になっていますが屋台彫刻と同じ技法で制作していますので、模型と合わせて祭屋台の雰囲気を感じてくださいとのことです。
展示されている彫刻を見ながら、材料の重要性、ケヤキとヒノキの性質などいろいろと貴重なお話が聞けました。
途中で展示室にあるソファーに座り、浜北にある龍燈の彫刻についてもお話を伺いました。そうなると昔の話となり、江戸末期から昭和初期に活躍された彫刻師の話で花が咲きます。
大獅子
手鞠獅子
私が「獅子の表情がすごくいいですね」と言うと、「獅子の顔は彫刻師の性格が最も出やすいところなんですよ」と仰っていました。若いころと晩年では変わってくるそうですけど、私もこれから屋台や社寺の獅子鼻をみるときは、その辺りも気にしてみようと思います。
知多型山車模型と、浜名湖花博に展示された雄踏の館車の模型
「これは精巧に作られていますね」と言うと、「とても細かな作業なんですよ」と仰っていました。やっぱりね。制作期間長いんだろうな〜
写真だと実物大の館車と勘違いしてしまいますね。
それから、無理を言って工房に案内してもらうことになりました。
図書館を出る時に宮崎さんが「これ読まれましたか?」と、入口にある像の前に案内してくれました。
雄踏(ゆうとう)と宇布見(うぶみ)という地名は、この地で日本武尊(やまとたけるのみこと)が雄々しく四股(しこ)を踏んだことが由来のようです。
宮崎さんの号=由寅(よしとら)の由来は、屋号のような形で、先祖の名前から一文字ずつもらっているそうです。先祖あっての今があるわけですし、お祭りの盛んな町に生まれて、その影響が大きく、木彫刻の職人になったという思いがあるのですね。
図書館を出て少し歩き、「これが昔の雄踏街道になるんですよ。昔の道だから蛇行した道になっているんです」とお話をしてくれたり、地域の歴史が好きな私を気使って、いろいろと教えてくれました。
工房の中に案内してもらうと、心地よい木の香りがします。「ケヤキの香りでしょう」と仰っていました。
工房に祀られている神棚
高いところにある神棚の彫刻を見逃がさず撮らせてもらいました。
なるほど。神棚の依頼も多そうですね
作業場の風景
ものすごい数の鑿があります。
とてもいい環境で仕事をされていますね。
私は自営業に憧れます。
宮崎さんは「お祭りは年に一度で、最終日に館車を蔵に入れると寂しいですよね。祭屋台彫刻に携われば一年中お祭り気分でいられます」と笑ってお話されていました。
「木彫刻の仕事をされていて、嬉しい瞬間はどこですか」と伺うと、「お祭りの当日ですかね。手掛けた彫刻が屋台に取り付けられて、幕がついて、子どもたちがお囃子を奏でて、その屋台が動いているのをみると嬉しいです」
木彫刻という仕事は、宮崎さんの天職だと感じました。今後も各地の屋台や社寺に、すばらしい作品をたくさん残してくれると思います。
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